キャバレースワンの涙−13

さて、Fさんの舞台における役どころだが、無残にも猫3匹の命を貶めた、慙愧な経歴を持つ男。ステージを隅から隅まで闊歩し、ダミ声を張り上げてことさらにワルぶり、「世界は俺の思うがままだぜ」と我欲のかたまり。一方で弱い一面も見せる。女の相棒がいるのだが、これがごつく太目で、この女には頭が上がらないという設定。その象徴的な場面は、Fさんは四つん這いになって女に自らケツを差し出し、女が情け容赦なくムチでバンバン打ち付けるというもので、これが滑稽で可笑しい。ワルから一転、「ああ、ごめん、俺が悪かった、気が済むまで打ってくれ!」と情けない軟弱男に変わり果てたFさん演じるタイガーバームが喘ぐ姿、これが笑えるのだ。この落差の激しいキャラクターの両面を演じ分けているFさんを見ながら、急に俺は「おぉ!エライ」と感心してしまった。
Sarah Vaughan - Get Backサラ・ヴォーンがなんと、ビートルズのカヴァー・アルバムを出した。録音は1979年だが諸般の事情によりお蔵入りとなり発売は1981年。プロデュースはペイチ親子。息子のデビッドはTOTOのメンバー。たまたま¥100LPコーナーで入手。ヴォ−カルがノリノリでポールとジョンの上を行っちゃった感じだった。なんといってもバラードが耳を惹いたねぇ。608)::: https://www.youtube.com/watch?v=DKKiwdtGObI