キャバレースワンの涙−12

「ストリッパー」は久しぶり。なんといっても30年以上前にヒットした曲だ。そんな懐かしさに浸りつつ、タイガーバームの歌が始まった。オリジナルよりダーティーな歌声の元気な歌唱だ。そう、ロックな感覚なのだ。そのかっこよさに、サビの部分では、俺はリズムに合わせて、1!2!3!4!とコブシを上げた。「もっと暴れてくれ」とタイガーバームにその想いを託したのだ。気持ちよかったね。これ、ライブの醍醐味ってやつ。恥ずかしいといった感情を乗り越え、周囲や他人を気にすることなく自分なりに自由に楽しんでよいのだ。そりゃぁ知り合いだったからこその親近感も手伝ってか自然にコブシを上げる行為に及んだ部分も大きい。が、タイガーバームの邪悪な演出そのものに魅せられた部分もある。Fさんの演者としてのオーラに動かされたということだ。俺の視野に入る限り、コブシを上げたのは誰一人いなかったが、「コブシを上げた」のは良かったと思える。自分も演者と対峙してメッセージ行動を発したんだという価値を見出した。一夜限りとはいえ、クロコダイルという空間に身を置いたこの確かな証は、生きていることの奇蹟を実感している瞬間に違いあるまい。
Cannonball Adderley - Sticksキャノンボールの1966年のライブ。熱いノリにニヤニヤ。6436) ::: https://www.youtube.com/watch?v=0BayhpwXP70