映画「ブレードランナー」ー10(とりあえず終)

人が悲しみを糧にエナジーを倍加させる、という話しは世間によく知れたことであろう。が、いざ行動に移すとなると、俺はやったことはないが、そりゃもう大変な道のりが待っていて、必死の覚悟なのだろう。さて、父に対して息子がコメントした「立ち上がれないぐらいの深い悲しみ」という部分に俺はピンと来た。先述(7)の新たに好きになったシーン、主人公(フォード)の暗い気持ちを現わした、背景が暗転しフォードの表情が絵画的に浮かび上がるシーンを俺は瞬時に想起した。これを目にする者は、人間誰しもが持つ暗い感情だと共感すると思うが、観る回数を重ねるに付け、その独特な暗さが凄味を増していく。まるでブラックホールに引きずり込まれるかのような深く果てしない暗闇世界へ突入するようだ。俺は、スコット監督がこのシーンに、自分の兄が死んで深い悲しみに落ちた気持ちを重ね合わせて表現したと直感した。
Kimiko Kasai with Herbie Hancock // I Thought It Was You(一ヶ月ぐらい前、初めて聴いた。これええです。笠井紀美子さんは耳にしたことがなかった。1970年代にハービーハンコックと共演しているなんて..。FM世田谷で真知子さんがDJを務める4時間の生放送ラジオで掛かって知った。285)::: https://www.youtube.com/watch?v=zaatQ5tUALg