脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 (幻冬舎新書)

4月より開始された「久米書店」という週一回一時間のテレビ番組がある。書店と名が付く通り、本を取り扱っており、直近に出た本を取り上げている。久米さんの好みで選ばれているようで、著者本人がスタジオに呼ばれ、久米さんがインタビューするかたちで進行していく。久米さんは、むずかしいことをわかりやすく人に伝える達人である。番組は毎回盛り上がっている。今回は6月の放送を昨日見た。標題の著者がゲストで、中野信子氏という学者。女で脳の学者は珍しいなぁと視聴していた。この人も久米さんからの受け答えは分かりやすかった。この番組に登場するゲストはみな上手に説明してくれる。久米という冠が付くからこそ成立する番組だと認められよう。今回の放送で、ふぅ〜んと思いを改めたのは、ドーパミンの存在である。これは、茂木健一郎氏が盛んにしゃべっているのが思い出されたが、ドーパミン=快楽物質、報酬系神経という人体に備わった働きがある、ということだ。実際に報酬を受けることもさる事ながら、モラエルカモシレナイという報酬予測を脳が働くとドーパミンが出る、と話しが展開された。これは多くの人に知れ渡っている事柄だろうが、僕はと云えば、今まで何となく軽く認識していたところへさらなる理解をもたらしてくれた。結構嬉しかった。これも、ドーパミンが出ているのか。世の中には、勉強が好き!とか、ボランティアをする!という奴がいるが、これはドーパミンが出ているのだろう。だから、こういう人種は、勉強を続ける、ボランティアをする、といった僕には面倒で嫌なワークをいとも簡単に課せてしまうのだ。人間は、動ぶつと異なり、複雑怪奇にたくさんの種類の欲を持つ。久米さんがこの本で印象深い部分は34ページ、39〜40ページを挙げていた。他には、久米さんのおもしろい感想が聞けたので記そう。「(家庭用)TVゲームに熱中した時期があって、夜中までやったりして手が腱鞘炎になり整形外科に行った。車の運転で点数がもらえるゲームだったが、あのとき、頭の中で〝ドーパミンが増えているだけだ〝とわかっていれば、あんなに熱中しなかったですねぇ、早く脱出できたんだろうと思う」と、自らの失敗を残念がりながら振り返っていた。これも面白かった。これはいま僕にドーパミンは出て...あ、関係ないか。
チューン:Cactus-Evil カクタス/イーヴィル(5730) → https://www.youtube.com/watch?v=qNiSy9MtIgI