柄本明さんを見たー1

先月末、下北沢を自転車で走っているとき、歩いている柄本明さんを見掛けた。これで何度目であろう。6回ぐらいは見ている。初めて見たのは20年ぐらい前だ。今回は7年振りぐらいかもしれない。前回は、井の頭線で下北沢の次の駅の「池の上」だった。何かの都合で自転車でこの界隈を走ったのだと記憶する。この日は確か昼下がり、季節は汗ばむ春だったが、柄本さんを見る前に先ず、高田渡さんを目撃したのだった。フォークが嫌いな僕でもこの人はテレビで見知っていた。池ノ上駅の踏み切りで、「あれっ」、いきなり高田さんだとわかった。自転車で走っているとき、すれ違う人の顔をこまめに目を配っていたために高田さんとの遭遇を果たせた。当時の僕のクセは、世の中にはどんな美人がいるのかすれ違うたび色んな人の顔をよく見ていたのだった。高田さんは北の方からやって来て踏み切りを渡り終えたところだった。僕は、南の踏み切り前にいた。向かってくる高田さんを僕の距離が近づく。両者の最接近距離は1メートルまで迫ったであろうか。普通な顔で下を向いて妙にしっかりした足取りで歩いていた印象だった。踏み切りから渡って来る高田さんの一挙手一投足を見守るべく僕は自転車を止めた。自転車に乗ったまま高田さんの横を通過して見過ごすのは嫌だった。折角宝物を見付けたのに拾わないでおくのは損である、というような気分が咄嗟に働いたのだった。高田さんのその後の行動を監視する。
選曲: 八神純子 / 想い出のスクリーン(切ないナンバーである。こういうの好きなんだよなー。小学校のときザ・ベストテンで聴いたときも好きだった。大人になっても、好みって、そうそう変わらないものかもしれない。1979年リリース)http://www.youtube.com/watch?v=y70AT8mdtLY(31844)