映画「今度は愛妻家」−3

いつもなら帰ってくるはずの妻・薬師丸が中々帰って来ない。不安が増していく夫・豊川に動揺が広がる。気を紛らわすため散歩に出、家事をする。ある日、衝動に駆られてカメラを携え、決して写ろうはずもない妻の様々な瞬間の姿が見えては夢中でシャッターを切る。情緒不安定ゆえの奇行とは異にした、彼に残っているアーティスティックな性が触発された瞬間だった。自己満悦とは無縁な、被写体である妻に対して抱く愛しさに満ち溢れていた。しかしそれも束の間、被写体への興味を通り越して我欲が彼を支配した。アーティスト性の消失に伴ないその我欲を剥き出す自分に気付いた夫・豊川は、シャッターを切るのを止める。フィルムの現像作業に取り掛かった。何枚も現像を施すも、被写体は、その姿を見せない。が、一枚だけ、被写体が浮かび上がって来た。それは過去の出来事にトリップする誘いであった。ひと段落したところで少しの疲労感を覚えたのか、ベッドで横になろうと寝室のある2階へ上がった。部屋の戸を開けると、ベッドの上に妻・薬師丸が座っていた。
本日お勧め:アラン・ホールズワース/東京ドリームス(1984年?「五反田ゆーぽーと」にてのライブ。Vo.は、’70年代のイギリスの帝王的存在のハード・ロック・バンド「Tempest」で初代ヴォーカリストを務めたポール・ウィリアムス。映像に映るなんて凄いんじゃないZ?、しかも場所がこのわが国日本というのが) http://www.youtube.com/watch?v=tjhjCln8s-A(一曲目)1717