今週の「メイキング・オブ・マチコズ・ミュージック」ー4

さて、「ヴァーモス・カンター」の作曲を神保さんが担当した経緯だが、これは真知子さん側から依頼したことが先ず判明。「そうか、そういうものなんだ」、僕の多年に渡る謎解きの行進が始まる。真知子さんは「作曲するときはメロディ・ラインから入るが、リズムからの作曲はどうしても入れなかった」と述懐していた。「タヒバリ」のコンセプトは〝ラテン〝と定めた上、その南米特有の香り、リズム感を内包していなければならない。他人に作曲の依頼へと流れたのは、その得意とする(特にバラード系)メロディからの作曲法とは違い、リズム面からのアプローチは苦手であり曲作り出来なかったことを踏まえたものだったのだ。このように放送電波を通じて間接的であるが、本人の口からこんな逸話を耳にするのはファン冥利に尽きる。アーティスト・渡辺真知子に対し、我々が決して見ることの出来ない普段の創作現場を垣間見たようで、さらにまた真知子さんへその新鮮なイマジネーションが膨らむというものだ。
本日お勧め:Thin Lizzy/Sarah(1979年リリース)http://www.youtube.com/watch?v=SaYVe_w-ikA