徹子の部屋―4

森さんの他界から週が明け、タイマー録画(最近、月〜金で設定を始めた)しておいたTV「ミヤネ屋」を見た。先週の森さんの訃報報道に引き続いて告別式の様子であった。番組冒頭、最前列で着席している黒柳さんが映し出される。そして弔辞を読むため起立して祭壇の前まで進む。足の運びが悪いように見受けられた。歩行に難があるようである。カメラは、その今まで見せたことのない、悲しみに沈んだ黒柳さんの横顔を捉えた。黒柳さんは静かに弔辞を読み上げて行く。その永遠の別れを惜しむ文面が聞かれるが、いっとき、自身と森さんの間で起こったエピソードを披露した。その可笑しさに釣られて参列者は笑いを誘われ、そのユーモアな空気が場内を覆った。しかし再び、読み上げて行く黒柳さんは自身に込み上げてくる悲しい感情を抑えきれず、溢れる涙をハンカチで拭い、嗚咽で声にならない声で読んだ。しかし直ぐに我に帰ったかのように、努めてしっかりとした声で読む。〝気を取り直さなければ〝と自分に言い聞かすようにして読んでいるように見えた。そして最後まで読み上げを通した。悲しみで我を失い掛けた弔辞の部分は、先にも記した電話による黒柳さんの談話と同じであった。若い頃の一大決心のもと海外へ渡ったときの思い出話しである。