今週の「メイキング・オブ・マチコズ・ミュージック」ー3

真知子さんは「タヒバリ」(’91)制作前の31歳の頃、一大決心し海外へ出た。知人が居るアメリカはアリゾナ州へ半年間ほど滞在したらしい。デヴュー後に取った新人賞など数々の賞を要らない荷物と位置づけ、その20歳代に積もった疲れを排除して充電を図った時期だと振り返っている。そしてこの半年の間に、ラテン・ミュージックに目覚めたのだという。僕はラテンに疎いのだが一聴すると成程、ラテンの持つリズムや明るさが全編を覆っている「タヒバリ」はこの旅の産物だったわけである。表ジャケットの写真は、南国熱帯に咲く象徴の花々を大量に従えて写る真知子さんが〝ラテン大好き!″とラテン色に染まった自身を表している。裏ジャケットはと云うと、これもまたラテンに触発されたかの如く、シャンパンを持ち勢い良く吹き上げ、明るく弾けた真知子さんが喜びを謳歌している写真である。ラテンは現在に至っても、ステージで繰り広げられて自身が楽しんでいる様子を先日のライブで垣間見た。また、そのラテンの持つ楽しさを聴衆へ真剣に伝えたい強い意欲がをあるようだ。