DVD「ザ・バタフライ・ボール・ライブ 1975」魚絵っ。

昨日シモキタ某で¥1260にて購入。もち中古価格。定価格は¥3990。2005年に出ていた。レコードは買った覚えがある。音は全然思い出せない。映像があるとは全く知らなかった。そういえば5年前、NHK-BSでこのバタフライが30周年記念だとかいったライブが流れた。大した印象はなくただロニー・ジェイムス・ディオの出番だけ録画保存をしたのは覚えている。さてDVDのジャケ裏写真だが大いに興味をそそられちった。ステージ上でボーカルを取っているそのスナップショットはなんと、イアン・ギラン、デイビッド・カバーデイル、グレン・ヒューズ、と3人載っているのだ。ハード・ロック最強のシャウター揃い。一流のボーカリストたちだ。普通こりゃ注目っ。しかしいざ買おうかとなると面倒くささが頭をもたげた、「もう今さらいいか...」。「でも20代はあれだけ好きだったんじゃないか...動く姿、アクションの取り方など確認の意味で見たらいい、新発見あったら面白いじゃないか、納得出来るネタも増える。安いし。あとになって悔いが残るよりマシだろ」と言い聞かせてレジへ向かった。珍しいもので、帰宅して小休憩後その気持ちは維持され再生に取り掛かかるべく体が動いた。いつもだと何日間か置いてから観る。考えたことないがJIcKURIとYUcKURI観たいからだろうか。一昨日購入したDVD-R「マイルス・デイビス/'67と'69年ヨーロッパ・ライブ」(タイム55min.、三茶にて:¥1169)を飛ばした。いきなりコンサート会場が映し出されスタートする。巨絵、古めかチックな映像だ、30年前とはこういう事か。「ほぉー、当時イギリスBBCで放送されたのかー?生かなー?」と観ているとグレン・ヒューズが何気にステージに出て来た。「うむっ、カメラ・ワーク悪ぃ」と嫌な予感。演奏が始まりヒューズがボーカルを取る。これは流石本物プロ・ボーカルが聴けて安堵する、ここまでは良い。このあとだな、問題は。急に画面がイメージ映像に切り換わりやがった。「あっりゃぁ〜―」、開いた口が塞がらない。このバタフライという'73年出版の児童絵本のコンセプトを表現しているらしい。「ああ、今そこ!グレン・ヒューズちゃんシャウトしているわよ、早く映して!」と思っても願い叶わず。こりゃもうダメ、後々も期待出来ないことを悟る。結局は、計ってないが半分以上はこういったイメージ映像で訳わかんない男女のダンス、モンティ・パイソン風の人形劇やアニメ劇に費やしている。もうDie失敗、魚絵っ。印象的だったのは、トニー・アシュトンという人がおもろかった事(これは収穫)、ヒューズは男としてすがすがしい存在感である事、出番を終えたカバーデイルがステージの去り際ロジャー・グローバーの首肩に手を掛けグローバーもそれに応えた場面、これまた出番を終えたギランがステージの去り際ジョン・ロードが笑顔で歩み寄って肩に腕を回していた場面、ギランのバンドで知られる面子がバックを務めていた事(これを契機にギランはバンドを始動したのかどうか?)、ギランは代役で元もとはロニーが参加予定だったそうだがこれはあの何とかモアの影響が働いたのかとピンと来た事、エディ・ジョブソンが輝いていた事である。とにかく貧素でショボいカメラ・ワークにはガックリさせられた。最後は全員参加でステージ上は埋め尽くされていたが、アシュトン、ヒューズ、ジョブソンの存在が目を引いた。観終えて解説を読む。'73年に「ザ・バタフライ・ボール&グラスホッパーズ」という児童絵本が出てそれを'74年にロジャー・グローバー音楽監督を担当してレコード化して世に出て'75年の10月16日にロイヤル・アルバート・ホールでライブ開催となった。そしてロックのドキュメント映画として公開されたのだと、なるほど、ドキュメンタリーね。しかし折角だからこういう作り方じゃない方が絶対良かったのに。この公演は以前ザ・フーの制作を手掛けて評判を得たトニー・クリンガーという人で、予定通り映画化まで至ったが関係者の誰もが気に入らなかったという。理由は明らかにされておらず当時イギリス国内の不安定な事情もあり別のアイデアの付け加えも企画されたが実現しなかったそうだ。この音楽化のプロジェクトは先ずピンク・フロイドに中心を担ってもらおうと白羽の矢が立ったがフロイドが断ってきたため第2候補グローバーが指名されたとある。ディープ・パープルを脱退から1年ぐらい経過した頃か。グローバーはパープル在籍中イラストを学んでいてこの作者(ビートルズのイエロー・サブマリンを担当)の絵に「凄い!」と思ったそうで「そう思った1年後にその本を音楽にして欲しいと依頼を受けたときは、単なるハードロックのベーシストの自分に声が掛かるのは不思議だったが何かの縁を感じたよ。その絵に詩を寄せたウィリアム・プロマーは、その本が出版される直前に亡くなってしまったけどね」という証言が載っている。グローバーは作曲と編曲?(オーケストラがあるし実はロードか)を手掛けメンバーは自らの人脈で集め、コンサート出演者たちも呼び掛けて出て貰ったとのこと。凄いね。「映画はともかくコンサートまでは成功と呼べるものだが、ロック史上に記録されたイベントが風化することなくDVD作品として発売されることは重要で、例えばウッドストックなどそうした作品があるからこそ貴重なロックの歴史遺産をこの目で知ることが出来る面でタイムトラベルして楽しんで欲しい」と結んであった。酒井康さんという人だ。僕にとってこの方はラジオや雑誌で馴染みがある。余談だが、自分のレコード会社バイト時代に2回ほど拝見したことがあり、一度は酒井さんがこっちを見たこだってある。さぁこの'75年という11月、パープルは来日公演を武道館で行いライブ盤としてレコードがリリースされるのは周知の事実。やっぱり5年前あたりか、CD2枚組でこの模様の完全版(曲と曲の間の何も無い時間帯などたゆるーい時間が流れる:ライブ盤はみんなこう作れば良いのに)が出て、今から2年前に御茶ノ水の中古屋で¥1300にて入手パソコンにコピーした後売却した。