本「M/D マイルス・デューイ・デイビスⅢ世研究」上下②

もうひとつ。菊地さん「実際にケイさんがご覧になったマイルスはどんな人物でしたか?」赤城さん「僕は、凄く優しい人だと思いました。あんなに優しい人は珍しいと思いました。なんだか、五、六歳の子どもといるうな感じがしました。すごく心がピュアで、その代わり、勝手でわがまま。でもね、人の気持ちなんか大切にしないというイメージがあるかもしれませんけど、それは全然違います。ある夜僕が演奏していて、マイルスは僕のやったことが気に食わなくて、ステージ上で紙コップを僕に投げつけたんです。僕は憤慨したんです。じろっとマイルスを見て、三日間彼と口を利かなかったんです。だけど、四日後、ステージで″ハロー、マイルス″と言ったら、マイルスがニコッと笑って″オー、ユー、バック″って(笑)。人の気持ちというのを敏感に感じていましたね。一方で、あれだけピュアな人間を見たことありません」菊池さん「いやぁいいなぁ」。ほのぼのじんわりする話しだ。また一方、気付けば、赤城さんは、マイルスに対して怒りを露わにした唯一の日本人、ということになるだろうか、こりゃスゴい。なお、赤城さんは、マイルスからジャケットをもらったようだ。デザイナーの佐藤孝信さんという、アーストン・ボラージュ製。菊地さんによると、マイルスが、日本人で本当のダチだと思っていたのは、佐藤さんただ1人だと記していた。
Key Akagi solo on Allan Holdsworth Tune(10年ぐらい前、アル・ディ・メオラというスペインのスゴいギタリストの音楽監督をしていたのは知っていたが、故アラン・ホールズワースと一緒にやっていたとは知らなかった。8300)::: https://www.youtube.com/watch?v=4toyUUNZpOs