NHK「ETV特集」-3

録音テープから永山の肉声が流れる。医師に心を開き告白している様子だ。精神状態は落ち着いており、自身の身に起きた様々な出来事を冷静に振り返っている。これはきつい体験だと思った。幼少時は虐待を受けたらしい。父はギャンブルにのめり込んで家にほとんど居らず、母は生活費のため朝から働きに出る。このとき、永山は兄と2人きりになり、この兄からの暴行を毎日受け続けたという。「最後はみぞ内に蹴りを受けて終わる。これはとても苦しいんだよね」と語り、人間が死ぬ一歩手前の痛さみたいだというニュアンスの補足も続いた。暴行を続ける兄に反抗すると、その暴力は倍になって返ってくるため無抵抗を決め込んで「いつか終わる」と我慢を貫いたという。