NHK「あの人に会いたい」−31

そう評したように目に映ったその僕の解釈を、仮にも当の矢沢さんが何処かしらに抱いていたとすれば、その隣人とは半分うわの空で相対していることになる。そのような真剣さを欠く行為を矢沢さん自らが選択するはずがない。突き詰めると、どんな時も一生懸命に事に当たる矢沢流の作法に反することに繋がる。こうした裏付けを施し採用する時、その明らかな証拠が僕へ向けて如実に反射される。それは「この対面時にそんな余計な考えが浮かぶ道理がない」また「考えが過ぎている・自分から転んで罠に嵌まっている」という真実・現状を照らし出し、僕の一方通行的見誤り、井の中の蛙的発想・幻想から救い出すまでに昇華してくれるものだ。