NHK「あの人に会いたい」−17

話題内容はほぼ忘れたが、矢沢さんと近距離に身を置いたその場で約30分間、時を同じくして過ごしたという経験に即して振り返ればこれは宝物以外の何物でもない。矢沢さんとDJ両者お互いに嘘偽りが付入る隙はないような真剣ムードは充満していたし、その両者の真剣な横顔は今も瞼に残っている。テーブルを挟み2(+1)人が顔を付き合わして「レコード会社移籍のわけ」「人生は基本ノホホンじゃない」のようなテーマで話しは進行して行った。放送時、矢沢ファンと称するその2人は、大物を前にしたからといって、恐れを成して自らを卑下するような態度は無縁で、勝負する、というのも適当ではないが、終始堂々と渡り合おうとする姿勢を貫いていたと記憶する。CM中は結構打って変って、低姿勢に移行し放送時の敬語使用よりさらに拍車を掛けて矢沢さんに質問など行い間をあまり作ることなく積極的に声を掛けていた。媚を売っているとかではない。DJの進行役のツッコミ担当の方が「すみません。生意気ですがこういう調子で喋らせてください」と畏まって言えば、矢沢さんは「どうぞ、どうぞ。やりたいようにやって。逆にこっちもその方が面白いし、やりやすいよね」と応えていた。CMに入る度、ツッコミ担当の方は「すみません」というような調子を同じく繰り返していた。また矢沢さんは「『ちびっこギャング』を他とは異なる面白さが目立って存在感を感じた、度胸はある」と評せば、2人は「ありがとういございます」と頭を下げていた。