LP「RUSH/SIGNALS」(続)-2

まずは配布から始めた。2,30分ぐらい要したか。4丁目は今回で2回目。1ヶ月ぶりだが、誰それがどこどこだと覚えている自信があり地図を持たず行った。が、3件目で道を間違えた。少々迷い逆戻りした、プンプン。次はコンビニ。気付けば、いつも行くコンビニは三軒茶屋方面とは逆方向になる。そっちは諦め、途中で見付けたコンビニに決めた。早速見付けた。何回か入ったことがある。「メール便お願いします、\80の」と依頼する。店員の女将さんが「ご記入お願いします」と伝票用紙を差し出す。「んっ?」、見れば書式が変わっているのが一目瞭然。名前とレ点を記入しながら「これ、変わったんですか?」と訊くと「はい」と歯切れの良い返答。「大きくなりましたね」と再度訊くと「そうなんですよぉ。ふふふっ」と笑顔で共感してくれた。この春から変更になったそうだ。「お母さん、何笑ってるのぉ」とまだ小学校に上がっていないであろう女の子が横で声を出す。その伝票の大きさはというと、小包みに貼る時に見られるサイズである。送料の額まで大きくなりそうに感じる。心配になり「\80ですね?」と確認、「はい」と答えてくれた。代金を済ませ手続きを終える。帰り際、笑顔を作り女の子に「じゃぁねぇ、またねぇ」と手を振る。すると女の子は嬉しそうに、こっちを見て手を振る。何の恥じらいも見られない、素晴らしい笑顔であった。さっきの普通にしていたときの顔も可愛かったが、もっと可愛くなった。その可愛さのあまり一瞬我が心も奪われた。この笑顔はまた「あ、大人が相手にしてくれた、嬉しい」と代弁しているようにも見えた。これは大人がやる作った笑顔ではなかった。んん、今振り返ってもこれは確かだな。こういう反応は実に良い、素直というのか、何と云うのか、こういう笑顔は久しく見てないぜ。この子は、母には仕事で構ってもらえず、ずうっと一人で遊んでいて、つまらない想いをしていたのだ、と手を振り終えながら俺は察知した。俺は女の子に声を掛けた。