映画「夜の大捜査線」(下)

しかし、この映画は前もってあら筋は教えたくありません。冒頭から「どういうこと?」という緊張感で観始めて欲しいですな。その方が、楽しく心地良いです、決してネットのウィキペディアなんかでストーリーを調べてはいけません、幸せが半減してしまいます。この映画はテレビドラマっぽい作りかもしれません。これは人間ドラマだと思う。人種差別という素材を用いつつ、黒人も白人も皆考える事は同じ人間であるという面を浮き彫りにして、人間にとって差別意識があるのは幸か不幸か(永遠になくなるものではないと思うが)ということを、うだる夏の暑さと対応させている。いっそのことそんな観念がなければ面倒くさく嫌な想いをせず楽なのにとも思うものの、でも現実はそんな簡単に変えられないのもまた人間か?というのは自分自身思い当たるところであったりしますな。でも映画では、黒人と白人の間で最初は差別意識が邪魔をしていたが、(ストーリー内の)問題解決に向かって黒人も白人もその意識が薄れて無くなっていきお互い認め合って一人の人間として対等な関係に移行していくさまが面白い。この映画の出演者のロッド・スタイガーがみせる笑顔が、僕は大・大・大好き!と云わせてもらおう。自分が何か困ったり悩んだり、また相手とコミュニケーションするときはこの笑顔を真似して生きて行きたいを思ってしまうほど惚れてしまった。これは僕にとって、一番好だった俳優のジーン・ハックマンより好きになっちゃったかもしれない大事件なのである。(終)