アイルランド人ギタリストのGary Moore

Gary Mooreはハード・ロック好きなら誰もが知っている。60年代後期に17歳でデビューして80年代(中期?)まではギター・ヒーローとして世界的に君臨し続けた人である。90年代に入ってからは完全にハード・ロックは影を潜めてブルーズを忠実に演奏する活動が目立った。僕は今はブルーズについてはニヤニヤしながら聴くファンに変身したが当時はきつかった。本日、マイミクの人間星人さんから携帯のメールに通知が来た。「6日にゲイリー・ムーアが亡くなりました。ご冥福をお祈りします。」である。「えっ」である。10数年前、ラジオで伊藤政則さんが「ゲイリー・ムーアは病気らしいです。いま治療にあたっていると聞いています。」という記憶が甦った。その後はアルバムを安定して出していたようだし去年はなんと21年ぶりの来日公演を行なったのは記憶に新しい。僕はその前回来日の89年に川崎産業文化会館でライブを観た。00年代の写真だろうか、一時期、Garyの体型は随分太り気味だったものがなかっただろうか。その普通ではない太り方を目にして、10数年前の病気が元でその服薬を続けて生じた副作用の産物でないかと感じたことがある。何しろ情報不足で今回ネットを見たが死因は明らかにされておらずはっきりしない。今現在の姿と思われるGaryの写真が出ているがこれは反対に痩せている。目線がこちらを向いている何かのプロモート用のフォトだが、意図したものかどうか不明だがとにかくその姿は病的な痩せ方を感じさせる。まだ60歳になっていない。早い死だ。Gary自ら死を予感し、その日がやって来る前に、自身に課した仕事を果たすべく歩み続けたという事実があったとしたらどうだろう。それは肉体的にも精神的にも苦しさを伴なったものに違いない。そういう苦しさを抱えて行動するのは、これは闘いであって、その厳しさはどれだけ激しいものであるか想像も付かない。ファンとしてGaryに想いを馳せるとき、来日した理由は何であったか、滞在先のスペインで永眠したことは偶然なのだろうか、といったことが頭に浮かんだ。続く。