ヒグラシが鳴いた

カナカナカナ...とヒグラシの鳴き声が響いてきた。「おぉ、ヒグラシだぁ」と上体をその方向へ向けた。なにか恋人と会う予感にも似たときめきを覚えた。僕の部屋からは、緑の葉が生い茂った一本の大きな木がある。毎年この季節は蝉たちがこの木で合唱するのだ。去年は早朝でも合唱していた。これはちとうるさかった。しかしヒグラシの鳴き声はいい。気持ちが嬉しくなってくる。ほんとにいいサウンドで大好きである。しかしヒグラシは夏の暑さが弱まった頃に鳴き出す。まだ早いはずだが、ここのところ気温が下がったせいか、もう9月に入ったと間違えたか。ヒグラシもミスをするんだなぁ。