今週の「メイキング・オブ・マチコズ・ミュージック」

今週は「ホールド・ミー・タイト」。真知子さんが23、4歳ぐらいのときで1979年ぐらいにリリース。訳すと「きつく抱きしめて」か。詩の内容、メロディともに甘さが前面に出たもので、女の子アイドルが歌いそうな雰囲気の作品だ。真知子さん側で、以前のシングル盤「迷い道」「かもめ・・・」とは異なる、夏のイメージで弾けた感じでいきたいという構想で作られ発売された。作詞・作曲は勿論ご本人。真知子さんご自身は夏という季節が好きだとのことで、曲は素直に出来て苦労した覚えは無いそうである。男性コーラスが欲しいという要望を出し、「バズ」さんの声質でお願いしたいと言ったという。真知子さんが高校生のとき、テレビ・コマーシャルで、車のスカイラインで流れた歌が「愛と風のように」という曲で、これがヒットしたそうだ。歌っていたのが「バズ」さんである。真知子さんは当時この事をよーく覚えていて、それで「ホールド・・・」の制作に当って、先述のようなアイデアが閃いたのだろう。番組ではこの曲を流してくれたが、僕は全く知らなかった。おとなしい曲調で声は素朴であった。ご本人は、大先輩にコーラスを依頼するのに一瞬の躊躇いはあったが、「バズ」さんもスタジオでコーラスの仕事をやっていたとわかり頼めたのだと振り返っていた。この辺は真知子さんファンには関心を引くところで人柄がうかがい知れる。ガット・ギターの挿入も切ない系のメロディにこだわりポイントにしたとのことである。他に、この曲はテレビではあまり歌うことがなかったが、「夜のヒットスタジオ」では歌ったそうである。この番組は月曜日の夜の放送だったという。労働の始まる嫌な曜日にこうした歌番組の存在が唯一楽しいものだった、と当時の世相を聞けた。この番組内ではチークタイムのコーナーというのがあったそうで、沢田研二さんと一緒になったエピソードも出た。凄いファンだったらしく、番組中だが嬉しさが過ぎて泣いてしまったと語っていた。「距離が近すぎるのも考え物です。憧れの人とは丁度良い距離というものがあり、それに徹したほうが心地よいです」と真知子さん流心得術が拝聴出来た。