NHK「あの人に会いたい」−23

″ぐっ″と握られるのと、″ふにゃっ″と触られるのでは、こういう違いが現れよう。我々のことを事務所の方は、レコード会社の宣伝部であり有線放送を対象に活動を行っている、と矢沢さんへは説明なさったはずだ。それを受けた形で、矢沢さんは我々一人一人に先ずは〝初めまして″の「よろしく」の握手を決行された。一通り終わると事務所の方を交えて新曲についてまだ露出していないエピソード、有線放送にまつわる見解を示して周囲との掛け合いをしたのち「よろしくお願いします」と締めのご挨拶をされた。この新曲をめぐって、両者とも距離を近くにした関係が成立したからこそ、矢沢さんに自分の手が″ぐっ″と握られた体験をするまでに発展した。これは、かなりの条件が揃わない限りこのような機会はまず訪れないだろうと思うと、いかほどの確率で恵まれていたのかがわかる。奇跡に近いと言って差し支えあるまい。